染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
プラスチック製ストローの今

2015年、南米コスタリカで鼻にプラスチック製ストロー(以下プラ製ストロー)が刺さったウミガメを救助したとの写真が報道され世界にショックを与えました。
大変衝撃的な写真で海洋プラスチック汚染問題が世界でクローズアップされる要因になりました。
プラ製ストローが約5億本/日も消費される米国では「スターバックスコーヒー」や「マクドナルド」等がいち早く廃止の方針を発表し、国内でも大手外食チェーン店等を中心に2020年までに全廃を表明する企業が相次いでいます。それではプラ製ストローの代替はどこまで進んでいるのでしょうか。2019年のプラ製ストロー代替品の一例を下表①に示します。

表① 主な代替ストローの例
 
会社名 代替素材 生産開始年及び特徴等
タナックス(福井県) 大麦 2019年
地元福井の六条大麦の茎を使用
日本ストロー 2019年
外食向けに提供 ストロー最大手
アキュラホーム等 木製 2019年
間伐材を使用し提携ホテルで採用
日本製紙 2019年
飲食業界で初めて採用となる
三菱ケミカル 生分解プラ 2019年
百貨店、飲食店、ホテルで採用
ホクビ(石川県) 2019年
特殊印刷した業務用紙ストロー

ほかにも多くの代替ストローが販売されていると思われますが、品質、コスト等を総合するとまだ課題が多い印象です。

プラ製ストローの現状
 
プラ製ストローの95%は汎用樹脂であるポリプロピレン製で、中国、韓国からの安価な輸入品の利用も多いといわれています。ポリプロピレンは5大汎用樹脂の中で最も需要が多いですが、日用品・雑貨用途(ストロー含む)の使用量は約11.7%と比較的少ないのが現状です。業界関係者からの情報ではプラ製ストローの国内生産は約1万トン程度で、生産に使用される原料ポリプロピレンは原料比率から約5千トン未満と推定されています。
一方、グラフ①で示すようにポリプロピレンの内需は約250万トンであることからプラ製ストローを禁止しても内需には殆ど影響がなく、国内のプラスチック削減効果は少ないとの意見が出始めているそうです。

グラフ①

(引用:重化学工業通信社 化学品ハンドブック2019)

代替ストローの課題
 
現在市販されている紙製ストローの多くは耐水性が弱く使用時間が限られるといわれています。よって耐水性向上のために樹脂をコーティングした商品もあるが結局プラスチックを使用する事になると共に硬くなり、海洋生物への危険性が増すと考えられます。コストを比較するとプラ製ストローが1本約0.5円程度に対し紙製ストローは約4~10倍、大麦素材品では約50倍以上とも。又既存の生分解性樹脂は土壌では分解されやすいが海水中では分解されにくいとの指摘もあり、この分野でも課題が残ります。

最後に
 
プラ製ストローの材質は今後徐々に代わっていくと思いますが、まだ時間がかかると予想しています。プラスチック材料は軽量・安価・耐久性に優れた包材で環境問題にプラスの役割を果たしている面もあることから、材料そのものを否定するのではなく、使い捨ての慣行をやめる事がより重要でしょう。使い捨ての代表的なレジ袋が7月から有料化されたが、その使用量は国内出荷分だけで約8万トンと言われています。一部の地方自治体では、「レジ袋の有償無償を問わず提供禁止」を表明しているところもあり、本質的な問題解決の方向を示しているのではないでしょうか。
(引用:北陸経済研究 3+4 寄稿 富山大学教授 小柳津 英知)