染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
プラスチック製レジ袋削減について

地球温暖化対策の一環として石油由来プラスチックの削減は必須です。
特に廃棄されたレジ袋の海洋汚染問題は深刻な問題です。2006年の改正容器包装リサイクル法でマイバック持参が自主目標として提言され、今年7月からはレジ袋の有料化が法律で義務付けられました。ところで有料化により本当にレジ袋は削減されるのでしょうか。海外のレジ袋規制をみると下表①のように有料化から使用禁止への動きがみられます。

表① 主な外国のレジ袋規制状況

地域 規制種別 国名
アジア 課税 台湾、ベトナム、イスラエル、他
有料化 インドネシア、
中国(2022年までに使用禁止予定)
使用禁止 バングラデシュ、インド、
イスラエル、ブータン、他
ヨーロッパ 課税 ブルガリア、ハンガリー、
スエーデン(有料化+2020,5~課税)
有料化 ベルギー、ギリシャ、ハンガリー、
オランダ、ポルトガル、チェコ、
デンマーク、イギリス、イタリア(生分解性)
使用禁止 イタリア、フランス、
ドイツ(2019以降)
(引用:環境省プラスチック資源循環戦略小委員会)

環境問題に厳しいヨーロッパは勿論ですが、アジア諸国でも使用禁止の動きがあります。
中国国内でも既に省単位で、レジ袋使用禁止の動きとの報道も。

レジ袋の推定国内流通量
 
日本オレフィンフィルム工業会の調査では、レジ袋の国内流通量は推定で46~65万トンといわれ、国内生産(19年度)が約13万トン、残りの7~8割が輸入品です。
包装用軟質プラスチックフィルムの総出荷数量が約221万トン(金額ベースで約2兆円)ですから、レジ袋用途は約25%程度と推測されます。ちなみにプラスチック製品全体の出荷金額は約11兆2564億円(20181年工業統計)です。

レジ袋削減対策の現状と課題
 
レジ袋削減の方法として次の二つが考えられます。
1)有料化を通じた需要減に伴う削減(マイバックへのシフト等)
2)代替素材による削減(紙、バイオマスプラスチック等)

レジ袋有料化はプラスチックの過剰な使用や環境への投棄を抑制するための手段の一つで、有料化そのものが目的ではありません。又、レジ袋有料化実施ガイドラインの中では次の3種類を有料化対象外としています。
1)フィルムの暑さが150μm以上のもの(繰り返し使用が可能なため)
2)海洋生分解性プラスチック100%のもの
3)バイオマス素材の配合率が25%以上のもの

「プラスチック資源循環戦略」の中でゴミ問題解決に焦点を当てれば、海洋生分解プラスチックの普及が最も効果的と思われているようですが、環境性能が認められる製品については性能に応じた付加価値をつけていくことも必要と言われていることから、本来は有料であってよいと考えます。

全国の主な取り組み事例
  
表②は企業や店舗が独自で取り組んでいる買い物袋削減方法の一例です。
表② 買い物袋削減の取り組み事例 
取り組み方法 企業名および対応状況
A 原料の使用量削減(軽量化、博肉化)
・ポリ袋材質(厚み)の博肉化
・大きさ・容量の適正化
ローソンその他、多くの企業が取り組んでいる。
ローソンでは8種類を3種類へ削減
B 石油由来原料の使用割合削減
・石油由来/植物由来(70%/30%)
・石油由来+石灰石 
植物由来 25%以上で有料化対象外
吉野家など多くの企業が取り組んでいる
TBM (LIMEX)
C 石油由来原料を不使用
・生分解プラスチックの採用
・植物系樹脂の採用
凸版印刷、GSIクレオス、
TBMなどがすでに商品化済み
D プラスチック製品の不使用
・風呂敷をマイバックの代わりに
・ポリ袋を紙袋へ切り替え
・古紙を配合した紙バック用包装紙
ファーストリテイリングなど多くの
企業が取り組んでいる。(ただし有料)
大王製紙では未晒再生紙を使用する例も。
E 買い物専用かごの配布
・店舗専用の買い物かごを持参
スーパーマーケットが専用の買い物かごを
持参させる取り組み。各地で実施中

今後望まれること
 
レジ袋削減の活動は始まったばかりですが、コロナ禍による非常事態が発生している状況下では、使い捨てレジ袋の需要が高まっているとの話も聞きます。しかし、リデュースの観点からレジ袋を使用しない行動を一人一人が心がけ、個人のライフスタイルを変えていく事が望まれるでしょう。
政府は今年7月、プラスチック製品を資源ごみとして一括分別回収しリサイクル化率向上を図る方針を発表ました。レジ袋などプラごみを出さない行動を推進しながら、一方で発生したプラごみを可能な限りリサイクルする動きが、世界中で求められているからです。7月末の報道では、コンビニ店でレジ袋を辞退する人が7割超に達したといわれているが、一方でゴミ袋をネットで購入する人が数倍に増えたとの報道もあります。大変厳しい環境下ではあるが、レジ袋やプラごみ削減の流れを更に進め、環境対策でも世界に誇れる国になることを切望します。
(引用:北陸経済研究7 調査 調査研究部 主任研究員 米屋信弘)