染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
世界の繊維生産量推移と北陸産地の染色整理加工状況
世界の繊維生産量推移
世界の繊維生産量は今後も成長が見込まれ、2022年の1億1600万tonが2030年には1億4700万tonになると予想されています。(図1) 素材別の比率をみると2022年は、合繊65%(PET:55%)、半合成繊維6%、植物繊維27%(綿:22%)、動物繊維2%。(図2)
世界的に環境対策が進むことを考えると、リサイクルし易いポリエステルや生分解性に優れる綿を中心に増産が進むと思われます。合繊に関しては、すでに中国が年間約8000万ton規模で生産を行っているため供給不足の懸念はありませんが、国内合繊企業がいかに差別化製品でシェア拡大を図れるかが課題です。


(引用:Textile Exchange MATERIALS MARKET REPORT 2022)

北陸産地の染色整理加工状況(2025年1~7月)
北陸産地(福井県、石川県)の合繊織物及びニットの染色整理加工状況(2024年及び2025年1-7月)を全国統計と比較すると、図3,図4に示すように全く同様に推移しています。織物に関しては、今年も大きな変動はなく加工量は昨年とほぼ同じです。ニットに関しては全国的にややダウン傾向ですが、北陸産地は昨年並みの加工量を維持しています。

図3. 合繊織物の染色整理加工量推移 (2024年、2025年)


図4. 合繊ニットの染色整理加工量推移(2024年、2025年)

(引用:日本染色協会統計、福井県統計、石川県統計)
課題解決のために
冒頭に述べたように世界の繊維生産量は年率3~4%の成長が見込めますが、国内産地では今後も厳しい状況が続くと予想されます。人手不足、設備の老朽化、環境対策など課題が。今後は政府の指針である資源循環システムを構築しながら、適量生産・適量消費に向け業界が一体となって高付加価値製品の生産に取り組む必要があるでしょう。