染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
成長するエアバッグ市場
エアバッグ市場の業界予測
調査会社プレスデンスリサーチの報告によると2024年度のエアバッグ業界の市場規模は582億ドルで、2034年には1,256億ドル(年平均8%成長)に拡大すると予測されています。自動車内装材の成長が4%程度と言われている中にあって非常に高い成長率です。 主な要因はエアバッグ装着箇所の増加や新興国での装着義務化と思われます。エアバッグ基布は人命にかかわる素材であるため、国内メーカーは糸づくりから最終の縫製に至るまで徹底した品質管理と新技術開発に注力しています。

表① エアバッグ市場規模の成長予測

(引用:2025 Deallab)
エアバッグの装着位置
装着個所は年々増加傾向に。

①歩行者保護用  ②運転席用  ③助手席用  ④カーテンエアバッグ
⑤ニーエアバッグ ⑥サイドエアバッグ ⑦後席センターエアバッグ
⑧ シートクッションエアバッグ ⑨後突エアバッグ
エアバッグ素材がナイロンからポリエステルへ
エアバッグ素材は従来耐熱性に優れるナイロン66が使用されていましたが、2018年頃から需給が逼迫しポリエステル化が進んでいます。
ポリエステルは製造時のCO2排出量がナイロンに比べ低い事や大量生産が可能でリサイクルし易いなど利点が多く、エアバッグ基布大手の東洋紡は2022年からポリエステル基布の販売を開始し、最大手のオートリブ社は2024年にリサイクルポリエステル使用のエアバッグクッションを発表。現状をグローバルでみるとエアバッグは糸量換算でナイロン66の方が多いと思われますが、2026年にはポリエステルとの比率が逆転するメーカーが出てくると予想されます。
エアバック業界の世界市場シェア
表② 主なメーカーの市場シェア(2024年)  (出所:2025 Deallab)

( 備考:J.S.システムズ:ジョイソン・セイフティ・システムズ)

1位はオートリブ社(本社:スウェーデン)で、2位ジョイソン・セイフティ・システムズ(旧タカタを買収)と報道。 オートリブ社は自動車安全システムをグローバル規模で提供するリーディングカンパニーで、世界14カ所にテクニカルセンターを持ち25カ国で活動を行っています。オートリブ社は気候変動対策とサーキュラリティ(循環性)に対してコミットメントしており、これからますます業界全体が環境対策を意識した方向で開発が進むと考えます。