染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
デジタル製品パスポート(DPP)の動向
デジタル製品パスポート(DPP:Digital Product Passport)とは
製品のライフサイクル全体に関する情報をデジタル形式で記録・管理するシステムで、欧州で導入が予定されています。 製造、配送、使用、廃棄等の段階で製品に関する情報を記録したデータ群です。このパスポートは、製品の管理や保証のために使用されるもので、製品の歴史や修理履歴などを一元管理することができます。 つまり製品の原材料から廃棄に至るまでの製品のライフサイクルに関する詳細な情報を提供するもので、これらはサスティナビリティ、トレーサビリティ、そして消費者の信頼を向上させるために重要なアイテムです。

EUの循環型経済政策の経緯
発表年代 主な発表内容 備 考
2019年12月 「欧州グリーン・ディール」政策文書発表
(2050年までにEUの気候中立を目指す)
2050年温室効果ガスの 発生ゼロ
2020年 3月 エコデザイン規則(ESPR)案発表 持続可能な製品づくり
2024年 2月 グリーンウオッシング禁止の指令案採択 グリーンウオッシング禁止の指令案採択
2024年 7月 ①18日 エコデザイン規則施行
②25日 企業持続可能性デュ-デリジェンス指令施行
②製品ごとの要件は委任法令で規定
2024年、EUに上市される製品には以下の課題があるとしてエコデザイン規制が制定された。
①持続可能性を高める事を保証する要件が存在しない
②ライフサイクル全体の持続可能性を高めるような製品設計がされていない

今後の状況と課題
2025年以降、欧州連合(EU)はデジタル製品パスポート規制を正式に導入する事が予想されます。 2023年に大企業から始まったフランスのAGEC法は、この未来の一例を提供しています。AGEC法の段階的な実施は、まず大手ブランドを対象にし、他の企業が今後数年で従うべき模範を示しています。初期導入の数年後には、小規模な企業にも準拠したDPPを求める義務が課されると予想されるが課題も。  例えば①データ標準化の問題、②セキュリティーとプライバシーの問題、③DPPシステム導入に必要な資金の問題(小規模企業)等です。世界的なブランド(アディダス、H&M,インディテックス等)は2025年中に全ての原材料をリサイクル品に変更するなど対策を進めています。DPPは欧州の規制ですが、日本の製品をEUで販売する際にもQRコードを付与する必要があります。 導入時期は最優先の電池分野が2027年とされていますが、繊維製品も優先度が高いと言われています。 国内大手企業は既に準備を進めているそうですが、中小企業を含めた業界全体の取り組みを加速させる必要があると考えます。