染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
国内マスクのJIS規格
新型コロナ禍の影響で国内のマスク市場は急伸し、20年度は対前年比2.1倍に拡大しました。 市場では、一時期の品不足状態は解消され、デザインや機能に特化した高級品と安価な輸入品に二極化されてきた印象を受けます。 しかし種類の急増に伴い、消費者としてはどのマスクが効果的で安心して着用できるのか区別ができない状況に。 そんな中、今年6月19日に厚生労働省が安心して選択、購入、使用できるマスクの普及をめざし日本産業規格(JIS)を制定しました。
国内のマスク流通量推移 
全国マスク工業会の調査によると、2020年度の流通量は130億枚以上で、2019年度比で2.1倍。 家庭用、医療用、産業用などすべての用途で増加しましたが、約80%を占める家庭用マスクが2.2倍に伸びたことが最大の増加要因と思われます。

グラフ① 国内マスク流通量推移

(引用:全国マスク工業会)
マスクのJIS規格について 
ポイント
医療用及び一般用マスクを対象としたJIS-T-9001と医療従事者を対象としたJIS-T-9002に大別されます。 規定された試験方法により試験を行い、捕集機能、圧力損失、安全・衛生項目等の性能条件を満たしていれば、材質、形状は限定しません。 又、医療用・一般用マスクのJIS適合審査の運用窓口は日本衛生材料工業連合会です。
具体的な規定の概要
JIS No 対 象 主な内容
T-9001 医療用及び一般用 ①医療用マスク
<一般医療、介護などに従事する方が使用するもの>
人工血液バリア性について、クラスⅠ,Ⅱ,Ⅲの3クラスに分類し、また共通の圧力損失(通気性)、安全性・衛生項目を規定している
②一般用マスク
<一般消費者が使用するもの>
4つの捕集機能(微粒子物質、バクテリアなど飛沫ウイルスを含む飛沫、花粉粒子)と圧力損失(通気性)安全・衛生項目を規定している
T-9002 医療従事者用 ①感染対策に従事する医療従事者が使用するもの
人工血液バリア性等の付加性能の有無でタイプⅠ、Ⅱに分類し、性能要件とその試験法に加えて、安全・衛生面も考慮して規定している

今後のマスク事情

JIS規格の制定により、国内で流通するマスクの品質向上が期待できると共に、利用者側も安心して選ぶ事が可能になります。 JISマーク表示の製品が市場に出回るのは数か月先になりますが、問題視されていた素材による性能差の課題も解消されるでしょう。 安全な環境で生産される国産品のシエアがアップすると共に、国際競争力が一層高まることを期待します。