染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
中国の化繊生産量
2021年の中国化繊生産量は6,534万トンと前年比で8.3%増加。
新型コロナの影響を受けた昨年の反動もあるかと思われますが、この数年大手メーカーが増産計画を進めてきたことが要因と推測しています。 
前年比の増加率を品目別にみると、ポリエステル長繊維の10.8%、スパンデックス10.1%、ナイロン8%等の増加が目立ちます。
ポリエステルに関しては約400万トン増加のようですが、今年も250万トン規模の増設が計画中と報道されています。
今年1月に発効されたRCEPは繊維輸出の好材料になると思われますが、最近の急激な原油高や新型コロナ感染拡大の影響等で需要が急変し一時的な過剰設備の様相が懸念されます。
中国の化繊生産量推移

 (出所:中国化学繊維工業協会)  
国内素材開発の課題

中国で合繊の増産が進む中、国内では合繊用原料の生産撤退が相次いでいます。
3月には三井化学がポリエステル繊維の原料であるPTAの国内生産撤退を発表。
4月には住友化学がナイロン繊維の原料であるカプロラクタムの生産撤退を発表しました。
共に50年以上国内生産を行ってきたメーカーです。

一方中国が生産を増強しているは合繊だけでなく、ポリ乳酸、レーヨン、生分解性樹脂等、環境を意識した素材にも及びます。
環境に配慮した新機能素材の開発やリサイクル及びリユーズ素材の展開等は、日本国内でも積極的に進められていますが、今後、国際競争をどうやって勝ち抜いていくかが課題です。
(参考資料:繊維ニュース等)