染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
水のはなし(2)
前回は「地球上の水資源の特性について」でした。 今回は「産業分野で活用されている水の特性について」お伝えします。 テキスタイル業界は大量の水と多くのエネルギーを消費する環境負荷の多い産業といわれていますが、衣食住の衣を守る重要な産業です。
地下水
水は流入、流動、流出という過程を得て再び地上に出現するといった具合に、地上や地下、大気中を長い時間をかけて循環している。現代社会において地下水は重要な水資源であり、井戸水として利用される以外に、工場の冷却水、洗浄水、スチームの熱媒等としても大量に用いられている。 テキスタイル業界の中でも北陸産地は、織布工場、染色加工場において良質で豊富な地下水の恩恵を受けて発展してきた。
オゾン水
オゾン水とは、水の中にオゾン(O₃)を溶解させたものである。 オゾンを溶解させることで、水の中に強力な酸化剤である「OHラジカル」が生成され、除菌や殺菌効果が高まる。オゾン水は高い除菌効果に加えて、安全性やコスト面にもメリットがあるため、日常生活での除菌対策以外に生鮮食品の除菌脱臭、衣類寝具の消臭除菌、車内の洗浄など広範囲な分野で利用が高まっている。
ウルトラファインバブル水
ウルトラファインバブルという呼び方は、国際標準化機構であるISOで定義された呼び方である。ナノバブルとウルトラファインバブルは、どちらもサイズが0.001mm未満の微細な泡で、多数入った水は無色透明であると共に水中で浮上せずに長くとどまるなどの特徴を有する。一方マイクロバブルとは0.001mm以上0.1mm未満の泡を指し、ウルトラファインバブルより泡が大きいため、マイクロバブルが多数入った水は白濁して見えると共に、泡は次第に上昇して消滅する。ウルトラファインバブル水の特徴は洗浄力に優れることで、シャワーにより頭皮の中まで洗浄できると紹介されているが装置が高額である。最近は洗濯水に利用すると洗浄力がアップするとPRするメーカーもある。
リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ

オゾン水やウルトラファインバブル水以外にも超純水など機能水の需要は今後更に伸びていくと予想されますが、これからはサーキュラーエコノミー(CE)に焦点を絞ったシステム展開が必須です。豊富な水に恵まれているわが国では、どこでも地下や河川より良質な水が手に入ると考えがちですが、近年知らない間に水質の汚染が進んでいる事や、絶対に汚染水を排出してはいけない事を十分認識する必要があります。