染色整理仕上機械など産業機械の設計・製造・販売
花山工業株式会社
水のはなし
水は私たち人間だけでなく、すべての生物にとって欠かせない重要なものです。
もし地球上に水が無かったら、地球上に生命体は発生しなかったといわれています。
日本ではどこでも良質な水を豊富に入手できると思われてきましたが、これからは貴重な資源として考えるべきです。

ここでは原点に立ち返り、地球上の水資源や水の特性ついてお話しします。
海水・淡水・汽水
・海水
海水は3.5%程度の塩類と微量金属を含む中性の液体で、地球上の海水量は約13.7億立方キロメートルと地球上の水分の97%を占める。地球上の海が形成された当時は酸性であったが、地殻を溶かし、アルカリ金属、アルカリ土類金属が海水中に溶け込み、その結果、海水が中和されて現在のような中性になったと言われている。

・淡水
地球の表面の3分の2は水で覆われているが、その大部分は海水であり、淡水は僅か2.5% 程度である。またこの淡水の大部分は南極や北極域の氷や氷河として存在しているため、地下水や河川、湖沼などの水として存在する淡水の量は地球全体の水の0.8%にすぎず、さらにこの大部分は地下水であるため、河川や湖沼など人が利用しやすい状態で存在する水に限ると、その量は0.01%(10万立方キロメートル)と言われている。国連開発計画では、「世界全体をみると、すべての人にいきわたらせるのに十分なだけの水量が存在しているが、国によって大きな差がある」と指摘している。

・汽水
淡水と海水が混在した状態の水を汽水といい、一般には河川が海に淡水を注ぎ入れている河口のところを汽水域という。底質は砂泥であることが多く、有機物の堆積も多い。
硬水と軟水
水には各種のミネラル、金属分が含まれていますが、これを炭酸カルシウム(CaCO3)に換算した値を硬度といいます。ミネラルを沢山含み硬度の高い水が硬水で、硬度の低い水が軟水です。日本では硬度1~100を「軟水」、101~300を「中硬水」、300以上を「硬水」に分けています。
東京の水道水は硬度60前後で軟水。硬水は北欧の水に多く、日本では関東の一部や南西諸島を除くと、ほとんどの地域の水は軟水です。

・人との関係
硬水と軟水、どちらが美味しいかは人の好みによるが、ミネラルウオーターとして知られるエビアンの硬度は約300である。

・工業との関係
硬水が蒸発すると含まれている塩類が析出するため、いろいろなトラブルの原因になり易い。ボイラー関係ではパイプの目詰まりを発生させたり、染色加工ではカルシウムイオンが染料と反応して、色むらの原因となるケースもある。

・料理との関係
和食には軟水が適しているといわれているが、料理の内容によっては硬水が適している場合もあるとのこと。軟水と硬水ではコーヒーの味も微妙に変化するといわれている。
良質な水を保つために

(写真と本文は関係ありません)

前回、有機フッ素化合物「PFAS」の規制問題について、欧州の動きを中心に述べましたが、10月に入り、全国各地で地下水や浄水場等から暫定規制値を超える「PFAS」が検出されたとの報道が相次いでいます。岡山県吉備中央町では浄水場から暫定目標値を28倍上回る「PFAS」(PFOA,PFOS)が検出され、町は影響があるエリアの世帯に対して給水車やペットボトルによる配水を行ったと報道されました。(原因不明)
岐阜県各務原市では、水道水の水源から高濃度の「PFAS」が検出された問題で、市は水源地にPFASを除去するための工事を終えたと発表。航空自衛隊浜松基地(浜松市西区)は12日、基地内で使用している4カ所の井戸水の水質調査結果を発表し、「PFAS」は全カ所で暫定指針値以下でした。
今後、各地で水質検査結果が公表されると思われるが、一喜一憂せずに、発生源の究明と速やかな対策をが望まれます。