日本茶で新型コロナ対策
お茶が「免疫力アップ」に良いことはよく知られていますが、新型コロナに対しても効果があるとの報告も。
そこで、お茶の成分と健康への効能、抗菌、抗ウイルス性に関する内容の一部をまとめました。
又、すでにお茶の成分を利用した抗ウイルス加工剤や繊維素材が開発されているので、その一部を紹介します。
(伊藤園HP参照)
各成分の効能は上記のように言われていますが、複数の成分が総合的に寄与し健康に適した効能が発揮されていると思われます。
新型コロナへの効能
2020年11月、奈良県立医科大学(同県橿原市)は、新型コロナウイルスが市販のお茶によって無害化する効果を確認したと発表しました。
基礎研究段階で、人での効果は未確認ですが、試験管内でウイルスが1分間お茶に触れることで最大99%が感染力を失っており、感染防止対策の一つとして期待できると報じています。矢野教授によると、カテキンはインフルエンザウイルスなどの表面にある突起状のタンパク質に付着し、感染力をなくすことが確認されており、新型コロナでも同様の効果が推察されると説明しています。
お茶の成分と効能
成 分 | 効 能 |
---|---|
カテキン(渋み成分) | 体脂肪低下、がん予防、抗酸化作用、 抗菌作用、口臭予防(脱臭作用)、 抗インフルエンザ作用、虫歯予防、 |
カフェイン(苦味成分) | 覚醒作用、利尿作用、持久力増加、二日酔い防止 |
テアニン(アミノ酸) | 神経細胞保護作用、リラックス作用 |
ビタミン類 (C, B2, E,葉酸、その他) | 皮膚や結膜の健康維持、抗酸化作用、 動脈硬化予防、その他 |
サポニン、ミネラル他 | 抗インフルエンザ作用、血圧低下作用、生体調節作用 |
実用例
①カテキン成分を利用した抗ウイルス加工剤及びマスク
茶カテキンに脂肪酸を反応させた抗ウイルス加工剤「CateProtect」が2015年に(株)プロテクティアで開発されている。
主な用途はマスク(一時性)であり、新型コロナ禍で大いに成果を発揮していると推測する。
不織布マスク(加工品)の抗ウイルス試験では、15分でウイルス不活性化率99.9%以上と報告されている。(SEK抗ウイルス加工マーク認証)
②カテキン繊維
2020年、(株)GSIクレオス(東京都)は「静岡茶」を利用した基準値の約3倍*の抗菌性を持つ繊維「カテキンファイバー®」を開発した。特許出願中の独自の技術を用いて、茶カテキン配合の茶の実オイルをレーヨン繊維に練りこんで作るカテキンファイバー®は、繰り返し洗濯しても抗菌性が持続する。又これまで廃棄されていた茶の実を有効活用し、在来種の保全と持続を目指したサステナブル素材であり、衛生用品、寝具、インナーナー用途を中心に展開が期待できる。 (*抗菌性試験(JIS規格)の結果に基づく)(株)GSIクレオスHP)
茶の産地や製法によって若干の差はあるかも知れませんが、国産のお茶を利用して新型コロナ対策や抗菌対策ができることは非常に素晴らしいことです。
このように、安全で環境にも優しい天然成分を応用した開発が今後も進むことを希望しています。